春名なおあき

はるな 直章

戦争への道 絶対に許さない

日本共産党 元衆議院議員
行っちきち戻んちきち

「消費税に代わる社会保障の財源はここにある」

2016年10月24日

 22日の「消費税をなくす会」でお話した「消費税に代わる社会保障の財源はここにある」の要旨を掲載します。参考にしてください。写真は本日(24日)の恒例24日宣伝と鴨田地域のつどいです。

■消費税導入28年~日本社会と国の財政になにをもたらしたか

①「小さく生んで大きく育てる」~最大の税収が消費税に

*2016年度/消費税17兆1850億円(17、8%)、法人税12兆2330億円(12、6%)、所得税17兆9750億円(18、6%)。地方消費税1、7%分を加えると20兆円を超えている。あらゆる国税の中で最高に。

*1989年度(消費税導入)/消費税約3兆円、法人税約19兆円、所得税約27兆円。

②「大企業はこの世の春」~法人税が極限まで下げられ、内部留保は300兆円を超えた

*28年間で消費税収324兆円、法人3税の減収は270兆円。83%が法人税減収の穴埋めに消えた。

  1. 「増税しながら社会保障制度は大変質」~自己責任、共助・自助へ。      89年                   16年
  2. *医療―2割負担、高齢者は定額負担     3割負担、後期高齢者医療制度で1割負担

   *介護―介護費用の半分は国が措置      介護保険制度導入。利用料1割、保険料平均5000円。

   *年金―物価に合わせて給付をふやす     マクロ経済スライドで物価が上がっても給付は増えず

○とりわけ、安倍政権になって5%から8%に増税しておきながら社会保障の自然増を大幅にカット。

*13年8400億円→5000億円、14年9900億円→5000億円、15年8300億円→5000億円。毎年3000億から5000億削減。

③「無駄遣いが野放図に」~最大の浪費は軍事費

*3年連続増大で5兆円突破。米軍駐留経費負担7621億円(16年度)。アメリカの同盟国は27か国、うち日本を除く26か国の経費負担額の合計よりも日本一か国の負担額の方が多い。思いやり予算(日本人従業員の給与、水光熱費、訓練移転費、提供施設整備費【ダンスホール、掩体壕、ゴルフ場、20人学級など】)は78年62億円、1920億円(15年度)。米軍再編経費は1801億円(15年度)。

*政党助成金は20年で6311億円。受け取った政党43党、うち消滅した政党34党。豊洲市場、富山、国会議員の白紙領収書。安倍政権になって再び膨らみ始めた大型開発。リニア新幹線の無駄遣い。

④「貧困と格差が極限まで広がった」~日本社会の危機を作り出した消費税

*ワーキングプア1139万人、貯蓄ゼロ3分の1世帯、貧困率16%(OECD34国中25位)。子どもの貧困が深刻化、6人に一人へ。生活保護世帯200万突破。

*一方富裕層の増大。上位53人で15兆9000億円の資産。下から数えて53%世帯分。アベノミクスで資産100億円増が225人。典型がユニクロの柳井一家。3年間で1兆6000億円増。1日14億円、1時間6000万。

■日本の財政危機の原因はなにか

①国・地方合わせて1000兆円を超えた。

*単純計算で「国民一人当たり900万」。国民がつくった借金ではない。政府の失政(法人税を連続減税、経済を失速させて税収を減、公共事業などの無駄遣い強行)で生まれたもの。行き過ぎたお人よしは禁物。

②国の一般会計の中で規模が最も大きいのは社会保障

*主要国はどこも社会保障費が大きく日本はむしろ少ない。社会保障が原因ならEU諸国は軒並み財政危機。

【社会保障の公費負担(国、地方の税金からの支出)の対GDP比】

・日本6% 英13.5% 伊11% 独10.8% 仏9.4% ドイツ並みにするなら+35兆円を社会保障につぎ込むことができる。

③90年代までは公共事業の浪費が主因

*バブル崩壊後の景気対策、「10年間で430兆」「630兆」の対米公約で、「公共投資基本計画」を策定。「無駄なダム」「船の来ない港」「車の走らない高速道路」「飛行機の飛ばない空港」が次々と。「有利な借金」と地方に事業を押し付け。

④経済成長がストップしたことが財政を急激に悪化させた

*2000年代、公共事業は減少に向かい、07年には20数兆とピーク時より半減 /「建設国債」の発行は減ったが、歳入不足を補う「赤字国債」は増加 /財政危機はますます進行した。

*長期に「経済成長が止まった国」となったこと。

―「97-07年での主要国のGDPの推移」 97年を100として/OECDデータベース

  加173、3 米169 英168、5 仏149、5 伊147、4 独127 日本100 /07年以降日本は逆に減少。

 ―二重の悪影響。①所得が減り税収減となる。②「対GDPで見た政府債務残高」の増加。

⑤大企業や金持ちへの減税で税収が空洞化

*「OECD諸国の税収が名目GDPに占める割合」―もともと低かったがギリシャ、韓国、トルコ、メキシコにも抜かれ、最低基準20%以下

*「この間の大企業。大資産家減税(ピーク時の1年間分)」

       法人税率の引き下げ(98.99~)   4兆円

       連結納税制度の創設(02~)     5千億円

       研究開発減税(03~)        6千億円

       減価償却制度の見直し(07~)    7千億円

       欠損金の繰越期間の延長(07~)   1300億円

       海外子会社配当益金不参入制度(09~)2千億円

       所得税・住民税最高税率引下げ(99~)7千億円

       証券優遇税制(03~)        1兆4千億円

       土地取引関係の減税(03~)     3500億円

       相続税・贈与税最高税率引下げ(03~)1200億円

       合計                8兆7千億円

⑥「すぐにもギリシャのようになる」論に反論する

*ギリシャの借金は、GDPを少し越えた程度 /1.8倍の日本。しかし大きな違いがある/日本の政府は赤字だが、 国全体では黒字/ギリシャは政府だけでなく国全体が赤字。日本―政府の借金の95%は国内の金融機関からの借り入れ /ギリシャ―7割以上が外国。金融機関の原資は、企業や国民の預金。つまり国民が資産をもっているという関係。

⑦「孫子の代に借金を残すな」論に反論する

*政府の借金を家計に例える議論は間違い。住宅ローンは「生きているうちに返す」「定年退職までに返す」ことを前提だが、政府には「寿命」も「定年」もない。「いつまでに」の前提がない。

*世界で過去の借金を「ゼロ」にした国はない。増えすぎでなければ、適切な管理がなされていれば問題ではない。

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■消費税に頼らない財源を示す

     ―「3つの柱」で社会保障も財政も立てなおす

(1)浪費の一掃―約3兆円

  • 50兆円だった公共事業は20兆円まで縮減し、いままた大増加。ダム、港湾、空港、新幹線、リニアなどの無駄が復活。約1兆円程度の削減は可能。
  • 軍事費はさしあたり1兆円程度削減。米軍への思いやり予算、侵略用の兵器・ヘリ空母、F35戦闘機など。
  • 4200億円の原発予算のうち推進経費3000億円を削減。
  • 政党助成金(320億円)をただちに廃止。国会議員520人分の削減効果。使途不明の官房機密費は廃止。浪費構造を生み出す政官財の癒着を断ち切る。 ①大富豪からまともに税金をとれー約7兆円―EX、トヨタの豊田社長。年間役員報酬1億3500万円、457万株の自社株保有、配当2億円。税・社会保険料の負担6900万円で負担率20、2%。トヨタ正社員の平均年収727万円で税・社会保険料保険負担は167万円、負担率は22、4%。*「所得税」―最高税率の見直し減税前の65%に戻す(0、7~0、8兆円増収)、*「富裕税」の創設-相続税の評価額で5億円を超える資産を持つ富裕層に対し、5億円を超える部分に1~3%の累進課税をおこなう。年間約6万人(世帯数の0、1%)だが、資産総額は60兆円、5億円を超える部分の資産だけでも30兆円にのぼる(0、5~0、7兆円の増収)*「為替投機課税」を新設―投機マネーを規制する手段としても有効。日本市場での一日平均取引高は3013億ドル(2010年4月)。年間では6000兆円の為替取引。ここに0、01%の定率の為替投機課税を行なえば、それだけで0、6兆円の増収。○最近の大問題はタックスヘイブン*ケイマンには所得税法人税がなく、株式譲渡益も課税されない。高利回りを狙って多数の投資ファンドも設立。巨額資金を投機的に運用するヘッジファンドの3分の1がケイマン諸島に籍。ここに適切に課税するだけで数兆円の税収に。「正直者が馬鹿を見るようなことがあってはならない」。②大企業に儲けにふさわしく税金を払ってもらう―約6兆円
  • 優遇税制によって実質の税負担は非常に低い。中小企業20%、大企業実質12%(現在の名目は29、74%)。 
  • ケイマン諸島への日本からの証券投資の残高は74兆4264億円(15年末)、14年末比11兆1319億円増。01年末からの14年間で約57兆円の急増。特に安倍政権発足後12~15年末の3年間で約25兆円増。「パナマ文書」には400を超える日本企業や個人が記載されている。日本の対外証券投資のうちケイマン諸島への投資残高は、米国に対する投資165兆円(15年末)に次ぎ2番目。
  • *「環境税」の導入―二酸化炭素の排出量を考慮した税。0、7兆円程度の増収。仮に全額が消費者に転嫁されてもその負担は一人当たり月コーヒー1杯程度。
  • *「高給サラリーマンの社会保険料引き上げ」―厚生年金保険料は月給62万以上が同額。健康保険料、介護保険料は月給121万円以上が同額。高額サラリーマンに甘い。これを累進に(2、2兆円の増収)。
  • *「相続税」―最高税率を70%へ戻す(0、4~0、7兆円増収)。
  • *「証券優遇税制」の是正―10%を本則の20%に戻す(0、6~1、7兆円増収)
  • 年間所得1億円を超えると所得税の負担率が下がっていく。なぜ?-「証券優遇税制」(株式配当、株式譲渡益にかかる税金がわずか10%(いま20%)と「所得税の最高税率の引き下げ」が二大原因。
  • (2)負担能力に応じた負担という税制改革ー約13兆円+α
  • *「特別会計」の無駄-ダブりを除くと200兆円程度の予算規模。うち地方交付税、社会保障給付、債務元利払いなど削れないものもの多い。削減対象になる「その他」の経費は10兆円。そのうちある程度の削減が可能。

*「研究開発減税」年6700億円(14年度)を含め租税特別措置法での減税額は年2兆円。他の国内企業から受け取った配当の全部または一部を非課税とする「受取配当益金不算入制度」、海外の子会社からの配当を非課税にする「海外子会社配当益金不算入制度」などの大企業だけ適用される優遇税制を廃止、または大幅縮減で約4兆円の財源が生まれる。

*消費税増税と法人税の引き下げがセット/2010年(5%)39、54%→14年(8%)34、62%→16年(10%)29、74%、18年29、74%へ下げる予定。実効税率を安倍政権前に戻す。外形標準課税の強化は赤字企業などへの増税となっておりこれを元に戻す。差し引いても2兆円の財源が生まれる。

③所得税の累進性を強化してヨーロッパ並みの社会保障へ―約6兆円

○所得税の課税所得に対して1、5%~15%の税率を上乗せする。

*なんでも大企業、大金持ちだけの負担ではやっていけない。ヨーロッパ水準の社会保障(医療費窓口負担ゼロ、介護保険利用料ゼロ、最低保障年金月5万からなど)を実現するためには国民全体で支えることが必要。そのさい、低所得者に重く大企業にやさしい消費税ではなく所得税の累進性を強めることで賄う。

*低所得者の場合―所得税率現在5%、1、5%の上乗せされることになり、現在の所得税の3割増し。年収400万の夫婦共働きの場合課税所得150万円、いまの所得税は7、5万円。約2万円余り増税になる。一方消費税が5%上がった場合10万以上の増税で、所得税の方がはるかに低い税負担になる。

*この改革は2020年以降。それまでに経済改革で賃金も上昇していることが前提。1%の賃金アップがあれば年収400万の世帯は、年収441万円になっている。その増加した分の一部を所得税として納めてもらう。可処分所得(収から税・保険料を差し引いて自由に使えるお金のこと)が増えることが前提。

(3)国民の懐をあたためる経済改革で税収をふやす

○大企業の内部留保の活用を

*大企業の内部留保は膨大に膨れ上がっている。資本金10億円以上の大企業で、134兆円(95年度)が300兆円(16年度)に急増。

*その原因は賃金引下げ、非正規雇用拡大、下請け企業への単価たたきでコストをぎりぎりまで削減したため。いわば青年、国民の犠牲によって積み上げられたもの。国民に還元するのは当然。

*法律の改正で、内部留保を社会に吐き出させる。あわせて労働運動と世論で賃上げをかちとる。

○経済改革の眼目と内容

*人間らしく働くルール-非正規雇用を正規雇用に。正規と非正規の不当な差別はなくす。最低賃金を全国一律1000円以上、早く1500円に引き上げる。中小企業への賃金助成をいったいに。

*中小企業と農業、環境―公正な取引ルールを確立する。中小企業予算を1兆円程度にふやし技術開発や販路拡大、後継者育成、円滑な中小企業金融などの支援を抜本的に強化する。TPP参加を許さず、価格保障・所得補償をしっかりおこなう。原発から撤退し自然エネルギーへの転換を図ることは地域の雇用と経済の活性化へ大きな支えになる。

・こうして、無駄遣い一掃で3兆円、応能負担の原則にたった税制改革で13兆円(所得税の累進強化を入れれば19兆円)、経済改革で約20兆円。合計40兆円強の新たな財源を生み出すことが可能となる。これを計画的に活用すれば、今後10数年で社会保障の抜本的な改善・拡充をはじめ、教育やくらし向上のための施策にとりくみながら、財政の健全化もすすめていくことが可能。確保した財源の一部を充てることで消費税を減税し、消費税廃止の展望も必ず開かれてくる。

・もちろん、これだけの財源があっても社会保障に充てる財源を考えれば毎年の財政赤字をゼロにすることはできない。絶対額でみれば国の借金は増えていくことになる。2030年ごろまでには基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化し、対GDP比でみた債務残高の増大を食い止め、逆に減少に転じさせることが可能となる。

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■増税中止の展望とたたかい

○今国会で19年10月まで10%増税を延期する法律が通る。その間にあるのは、東京都議会議員選挙(17年6月)、衆議院選挙(18年12月までに)、参議院選挙(19年7月)。これらの選挙で増税NO、「5%に戻せ」の審判を下し、増税中止勢力を国会の多数派にすることは十分可能。

○国民の世論が決定的。意見書を市町村で採択させ、署名や宣伝を網の目のように広げ、増税NO!の世論を結集しましょう。                                                                 以上

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