春名なおあき

はるな 直章

戦争への道 絶対に許さない

日本共産党 元衆議院議員
行っちきち戻んちきち

「平和と登山~戦争法を廃止し、9条を守る」

2016年11月1日

 10月28日、「岡山登山者9条の会」でお話した「平和と登山~戦争法を廃止し、9条を守る」の概要を掲載します。参考まで。

平和と登山「戦争法を廃止し、9条を守る」 

              2016年10月28日 元衆議院議員 春名なおあき

■安保法制(戦争法)発動阻止、廃止へ共同を

  1. あらためて戦争法の3つの反憲法性を告発する

①「戦闘地域」に出動、兵たん(武器弾薬の輸送・補給、発進準備中の戦闘機への給油など)を行う

○「非戦闘地域」が建前だったイラク派遣で→23発の迫撃砲が打ち込まれ死の一歩手前まで。10個の棺を持っていった。

○アメリカの帰還兵は一日平均22人が自殺。年間8000人で一大社会問題に。自衛隊員も56名が自殺。

②国際平和維持活動への参加(PKO法改定)

○「治安維持活動」~アフガニスタン国際治安維持活動では3500名の兵士が死亡。「駆けつけ警護」~「宿営地の共同防衛」、「安全確保業務」~どれも戦闘に巻き込まれる危険が強い。武器使用基準を「自己保存」から「任務遂行」に大幅拡大。

○現実の危険~南スーダンPKO

*南スーダン政府と反政府勢力が「敵対行為停止」命令をしたが「停戦合意」はない。「今後どうなるか、戦闘が再燃する可能性も否定できない」(統合幕僚長)。PKO参加の条件―停戦の維持、当事国の同意がそもそもない。

*「教訓要報」(内部文書 14年)では、「市街地との至近距離での敵と遭遇することを想定し「全隊員による個人携行火器の実弾射撃実施」を明記。「車上」「夜間」「遮蔽」「彼我の識別」射撃などを指示。

○青森の自衛隊員が対象に。母親の不安と怒り。

③集団的自衛権の行使容認

○「集団的自衛権は自国と密接な関係にある他国に対する攻撃を自国に対する攻撃とみなし、自国の実態的権利が侵されたとして、他国を守るために防衛行動(武力行使)を取る権利」

○歴代政府~「必要最小限の自衛力」「専守防衛」。集団的自衛権は「必要最小限の自衛力」の範囲を超え行使は許されない、と営々と答弁。

*6つの海外派兵立法(PKO協力法、周辺事態法、テロ特別措置法、有事法制、イラク特措法、海賊対処法)も越えられない一線=海外での武力行使(それとみなされる行為)。

・イラク特別措置法―「全土が戦闘地域のイラクにいくのは武力行使と一体化するもので憲法違反」との追及に「自衛隊がいったところが非戦闘地域だ」(小泉当時首相)。

・テロ特別措置法―「一発目のトマホークと二発目のトマホークを発射する合間に給油すれば武力行使と一体ではない」(中谷当時防衛庁長官)。

・周辺事態法―「後方支援」(兵站)でなく「後方地域支援」という特異の概念でごまかし。

○「限定行使論」~「存立危機事態」(わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合)と限定するから憲法違反でない。しかし、「存立危機事態」を宣言するのは時の政権。アメリカが起こした戦争への態度は?

*ベトナム戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争、グレナダへの侵略、パナマへの侵略、リビアへの爆撃~国連のお墨付きなし、国際法に違反する先制攻撃の戦争ばかり。日本政府は、一度も「ノー」といったことがない。

*日本政府のアメリカ言いなりは度し難い。①イラク戦争で「大量破壊兵器」がなかった。開戦の口実が崩壊したのに、いまでも誤りを認めない、反省しない、アメリカに問い合わせもしてない珍しい国。②辺野古への新基地建設のゴリ押し、高江ヘリパット強行。オール沖縄の意志を強権、独裁的に踏みにじる暴挙。③四国の空を我が物顔で汚す米軍機低空飛行訓練の野放し。

(2)安倍政権の「海外で戦争する国づくり」の全体像

○9条を改変して、これまでの海外派兵立法の歯止めを取り払い、自衛隊が戦闘地域にまで行って米軍とともに戦争行動ができるようにすること。戦争法がその先端を開いた。○自衛隊の在り方をこれまでの「専守防衛」という建前すら投げ捨てて、海外派兵の軍隊へと大改造すること。

○新「防衛計画の大綱」、「防衛装備移転三原則」、防衛装備庁新設、など

○海外での戦争に国民を動員するしくみをつくる

・特定秘密保護法の強行、改悪教育基本法、「愛国心」注入、教科書検定基準の 改悪、教育内容への権力的介入。 徴兵制の危険~経済的徴兵制も。

■自民党改憲案は憲法とはいえない

~論議の土台にしてはならないしろもの 

(1)立憲主義の否定~権力を縛るものから国民を縛るものへ~

立憲主義とは~人権を守るために憲法で権力を制限する

*基本的人権は、侵すことのできない永久の権利(第10章 最高法規

*その中核は、「個人の尊厳」。個人には犯すことのできない、その人らしさを選び取る権利がある、という思想。それを支える仕組みとして、憲法の「最高法規」、安易な「改憲」を許さない手続き規定などがある。

*97条 基本的人権の永久不可侵性を宣言。

*98条 最高法規としての性格を定める。

*99条 公人の憲法尊重義務 国民は対象外。

○自民党案―97条の削除、99条に国民を追加、96条の改憲手続きの緩和、13条の変質

*国民の義務化~あの独裁国家と同じ

・「公民は国家の法および社会主義規範を守り(中略)尊厳を守らなければならない」(北朝鮮憲法82条)

・「すべて国民は、この憲法を尊重しなければならない」(自民党憲法改正草案102条)

○自民党案13条 「個人」が消え、国家(公益、公共の秩序)が前面に

・「すべて国民は、人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益および公の秩序に反しない限り、立法その他の国政上で、最大限に尊重されなければならない」

・人権の主体が、一人一人のかけがえのない個人にあることを否定=立憲主義の否定。

(2)基本的人権の制限~“汝臣民”の時代へ逆戻り~

「公益・公共の秩序に反しない限り」という制限を加える。明治憲法の「法律の範囲内」と同根。

○国民の義務の多さ

*現行―納税、労働、教育の3つ(労働、教育は権利でもある)から10の義務へ。国防(前文)、日の丸・君が代尊重義務(3条)、領土資源確保(9条)、公益および公の秩序服従(12条)、個人情報不当取得等禁止(19条)、家族助け合い(24条)、環境保全(25条)、地方自治負担分担(92条)、緊急事態支持服従(99条)、憲法尊重(102条)

*公共の福祉」とは、人権と人権が対立した時に調整するという考え。これにたいして「公益・公の秩序」はまったく違う概念で、御上、国家が国民の上にある、という考え。

(3)“戦争最優先国家”~平和・福祉国家の根本的否定~

①国防軍創設、交戦権否定を削除、無制限な「自衛権」の容認、軍事法廷、国防の義務

○9条2項を廃棄し、代わりに「国防軍を創設」「自衛権は集団的、個別的区別なくすべてOK」。軍事裁判所設置。

②緊急事態条項

○大規模災害、有事を口実に首相が立法措置。

*この規定は戦前の日本、ナチスの反省からあえて規定しなかったものだ。「緊急勅令および財政上の緊急処分は行政当局者にとりましては実に重宝なものであります。しかしながら(略)国民の意思をある期間有力に無視しうる制度である(略)。だから便利を尊ぶかあるいは民主政治の根本の原則を尊重するか、こういう分かれ目になるのであります」(46年7月 帝国議会衆院憲法改正案委員会での金森徳次郎憲法担当相の発言)。

■9条~「紛争を戦争にしない」人類の知恵の結晶

(1)9条の理想は日本の悲惨な歴史と誤りを繰り返さない決意に裏打ちされている

 ○「新しい憲法のはなし」

(2)憲法9条の先駆性~20世紀は戦争違法化の歴史

*1919年 国際連盟規約「戦争できる自由」に制限を加えた。

*1928年 パリ不戦条約では戦争そのものを違法化。

*1945年 国際連合憲章―「武力行使も武力による威嚇も禁止する」と明記。

*1946年 日本国憲法。国連憲章の精神を一層前進させ武力行使、武力による威嚇を禁止、そのための戦力の保持そのものを禁止、交戦権も否認。世界の戦争違法化、平和の流れの最先端。

(3)中国・韓国・北朝鮮~領土・ミサイル・核開発問題などとどう向き合うのか

「万万々一攻められたら」―個別的自衛権を発動し自衛隊も活用し反撃、国民の命と国を守るのは当然

○紛争を戦争にしない外交努力が決定的に重要―その道しるべが9条

  • 中国と日本の経済・文化関係の依存度はすごい。もし戦争になればお互いの国に大きな被害をもたらす。
  • 尖閣諸島―領有権は日本にある。道理と歴史の事実に沿った真剣な外交を。いうべきことをきちんという外交を。
  • 竹島―日本の領有に根拠はあると考えるが、領有を宣言した時は日本が韓国が植民地化をおこなっている過程であり外交権がなかった。双方から歴史研究のチームをつくり検証。
  • *北朝鮮―二つの柱で。①6カ国協議に立ち戻らせる政治的外交的努力に徹する。②より根本的には国際社会が本気になって「核兵器のない世界」へ具体的な行動にとりくむ。
  • ③手本はすぐ近くにある―東南アジア友好協力条約

④「北東アジア平和協力構想」の実現を

○紛争は平和的・外交的努力によって解決、北東アジア平和協力条約を結ぶ。

○領土問題の、外交と歴史的事実による解決、

○北朝鮮問題は6か国協議の再開とこれを平和の共同体の土台に、

○侵略戦争と植民地支配への反省。

 

■豊かな人権条項を生かし、憲法通りの国をつくろう

①30条に渡る豊かで奥深い人権条項は世界の最先端

○アメリカの法学者らが188か国の憲法を徹底比較。ある学者は「66年も前に画期的な人権の先取りをしたとてもユニークな憲法」と(「朝日」12年5月3日付)。

②日本社会の現実が憲法の理想に追いついていないことが一番の問題  

○19条~思想および良心の自由―

○21条~集会・結社および言論、出版、表現の自由~

○24条~男女平等―賃金差別6割程度。

○25条~生存権―生活保護の水際作戦、捕捉率20%。介護、医療負担増。ワーキングプア1100万人。安倍政権になって貯蓄ゼロ世帯が激増、3世帯に1世帯に

○26条~教育の機会均等。経済的理由で教育が保障されない現実。国立大学53万円、私立100万円の学費。教育ローン化した奨学金制度。

■たたかいと勝利の展望~広大な共同を広げ

(1)戦争法廃止のたたかいで広がった空前の市民運動

(2)それに背中を押された戦後初の野党共闘のめざましい発展 

○32選挙区中11で勝利。この流れは後戻りすることはない。新潟知事選挙。

(3)勝負は国民のなかでつける~9条の会のかけがえのない役割

○全国7500に広がった9条の会

(4)私たちにできること

○憲法や情勢について学習を怠らないこと。つねに学び語り合おう。とくに自民党改憲案を幅広い方々に知らせ、学ぼう。

○学びを力に行動にとりくもう。

○次期衆議院選挙は憲法改悪が決定的争点になる。野党共闘でひっくり返そう。

 

*必勝法は、勝つまであきらめないこと。あきらめることをあきらめよう。たたかいをやめないこと。

*のぼりきったら世界が変わる。途中であきらめると景色は見えない。                                                      

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